マーケティング・コンセプトの変遷

中診:中小企業診断士のお勉強で、へぇ〜と思ったことをメモしていくカテゴリ。by TACの講義とか。まあ、素人メモですが。


マーケティングという言葉は、人によって市場調査という意味に使われたりするが、現在はもっと広い概念として使われる。マーケティングの概念は日本の戦後以降、次のように変わってきた。

生産志向

需要 > 供給
設備、技術の導入

戦後の復興時代。需要が不足し、モノ(主に生活必需品)は作れば売れる時代だった。重要なことは、「いかに効率よくモノを作るか」で、「大量生産」を目指して設備、技術の導入が重点的に行われた。


なお、生産指向と次の「販売志向」の間の段階で、「製品志向」という考え方があるが、これは、単に作るだけでなく、「品質のよいものを作る」と売れるという段階である。この考え方は間違ってはいないが、顧客のニーズを読み違えた「近視眼的マーケティング」に陥る危険性がある。

販売志向

需要 <= 供給
広告、系列化
プロダクト・アウト

大量生産の技術は確立され、供給は需要に追いこした。ここでは、「いかに売るか」が重要となる。広告、CMなど販売促進活動が重点的に行われた。また効率よく売るための流通経路を確保するための小売店の系列化も行われた。町の電気屋さんの名前にメーカー名がついているのもこの時代の名残のようである。

顧客志向

需要 << 供給
需要創造
マーケット・イン

スーパーマーケット、家電量販店なども現われ、大量販売の仕組みは確立された。供給は需要をはるかに上回り、以前のように「品質のよいモノを作れば売れる」、「販促をすれば売れる」時代は終わった。顧客は欲しいものは既にもっており、売るためには、顧客の心をくすぐり、新しい需要を創造する必要がある。iPodやMiniMacなど、これまでなかった価値を持つ製品を作らないと売れない時代になっている。

社会志向

企業には「社会志向」の姿勢が求められるようになった。フロンガスを出す製品は安くても売れない(売っちゃいけない?)。単に利益を重視する以上に、環境などの社会性に配慮した商品の開発が求めらている。


現在は、「顧客志向」+「社会志向」の時代であるらしい。