シッコ

http://ja.wikipedia.org/wiki/シッコ
シッコ(SiCKO)をビデオ屋で借りてみた。


先進国の中で特に酷いと言われている(?)アメリカの医療保険制度をテーマにした作品。これまでの作品同様良くできたプロパガンダ映画でした。
都合のいいところばかり張り合わせて印象操作するのは別にいいんだけど、フランスみたいな医療費タダの国は税負担が激高のはずなのに、全然生活余裕よ、みたいなウソはいかんと思う。ちょっとやりすぎ。あとキューバに行くなら、ロシアにも行けよと思った。
民間企業が医療保険をするのが悪いというより、保険会社の利益相反気味のインセンティブと、一部人を食って儲けすぎの人たちがいるのが問題っぽいので、そのへんうまくやる仕組みに変えればいいんじゃないのかなぁ?って素人考えで思えましたが、まぁ何かと問題も多そうなので、悪いものを悪いといってる点はまぁ悪くないかも。


映画の中でイギリスの何とかいう人が言ってた言葉で「民主主義によって市場から投票所に権力が移った」って言葉がちょっとかっこよかった。でも、アメリカでも数が多い低所得者層の人にとっては、「医療費タダ皆保険」が絶対お得なわけで、何でもかんでも弱者優先的数の暴力で物事を決めていくと、とっくにそうなってもよさそうなのに、そうなってないのはなんでだろー。


メモ
高齢化とともに高まる医療費(各国比較)
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1900.html

社会保険の範囲が小さく、民間保険と医療機関相互の競争など市場原理をメインとしている点で世界の中でも特異なシステムをとっている米国では、高度医療の発達や医療機器の進歩では世界一となっているが、医療費については高騰に悩まされ、マネジドケアなど数々の医療システム改革にも関わらず、貧困層への医療供給は制約されて平均寿命も先進国の中で低い状況の反面で、国民の所得の多くが医療費に注ぎ込まれている

貧しさのため生活必需品が買えない経験の国際比較
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4653.html

特に米国は、中国と並んで、食料、医療、衣服という必需品の中で医療サービスを買えなかった者の比率が食料と衣服に比べて高く、医療制度に問題があると言わざるをえない。米国人の平均寿命は先進国中では最低レベルであるが、それを別の面から裏付けるデータといって良い。