ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデル

isbn:4104329053
読んだ。なかなか面白い。


1848年に最初に金を発見したのはジョン・サッターって人で、その一帯は彼の所有地だったらしい。でも、当時のカリフォルニアは無法地帯で、勝手に砂金堀りに来てもってかれたそうだ。後に、金は俺のもんだから返せって感じの裁判を起こして勝訴したらしいんだが、何と怒り狂った民衆によって彼の3人の息子は殺されて、全財産も奪われたらしい。バイオレンス〜


48年の発見当初に金は比較的容易に見つかり、何と1日で普通の人の10年分の収入をゲットした人もいたらしい。そんな夢のような話を聞き一攫千金を求めて、アメリカ各地から人々が金を掘りにやってきたと。それが49年ぐらいだったので、彼らのことを49ers(フォーティーナイナーズ)とか言ったらしい。でも、見つかりやすい場所にある金はすぐにとり尽くされ、49ersの中で実際に一攫千金を実現できた人はほんの一握りだったとか(株で言うところの、ライブドアショック前のバブル相場に初期から乗った人は大儲けきたけど、一攫千金の話を聞いて後からデイトレとかはじめた人は概ね退場にみたいな感じでしょうか)。


ゴールドラッシュによって富を得たのは、49ersに対して商売をした人たち。サム・プラナンという人は、シャベルやテントなどの必需品を買占め、転売することで富を得たらしい。しかも、買い占めた後に、金発見のニュースを各地に宣伝してまわったとか(株で言うところの仕手みたいなもんだな。テーマ性のある特定銘柄を買占めといて、あちこちで宣伝するみたいな)。リーバイ・ストラウスという人は、丈夫なズボンを作って売ったのが大ヒットして富を得たそうな。彼の会社が後のリーバイス(株で言うところの使い勝手のいいツールや情報サービス提供会社みたいなもんか)。


ていうような感じで、いろんな人の話が出てくる。単に一山当てた人だけでなく、伝説の郵便配達人スノーシュー・トンプソンとか、自称アメリカ合衆国皇帝のノートンさんとか奇人の話もでてきてトリビア


その後、大陸横断鉄道を作ったうちの一人が作ったスタンフォード大学の話になる。そしてスタンフォード出身者が起業して作ったいろんなIT会社の生い立ちの話に。Google、Yahoo、NetscapeCisco、Sunなどが生まれた話が簡潔に分かる。


偉人伝みたいな話は夢があっていいなぁ。
なお本は、週刊新潮で連載された記事をまとめて修正したもので、
記事のバックナンバーが筆者のWebサイトで公開されてる。
http://www.noguchi.co.jp/archive/goldrush/bn.php